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バイオを応用して開発中の新薬を紹介した本です。2001年10月に出版したものです。Amgen社のEPOGEN誕生の経緯やグリベック誕生までの道のりなど、現在販売されているバイオ医薬品の歴史について知りたい方には役に立つのではないかと思います。
[記事] 「緩和化学療法で期待できる生存延長期間は患者に殆ど伝わっていない」へのコメント
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欧米では,緩和化学療法は,治癒の見込みがないがん患者に対して,QOLの向上,生存期間の延長を目的に行う化学療法のことと定義されています。すなわち,進行性または転移性のがん患者に対して行う化学療法を意味すると思います。
緩和(palliation)は,症状緩和と理解されることが多く,日本では,化学療法の効果が期待できなくなった患者へ,疼痛やがんに伴う諸症状を緩和のための化学療法と考える方が少なくありません。ゲムシタビンのように膵臓がんの痛みが緩和し,生存期間が延長することが証明されたものもありますが,疼痛の緩和は疼痛治療ガイドラインに従って,モルヒネなどのオピオイドを使用するのが適切と思います。
日本でも,QOLや生存期間(わずかであっても)の改善が期待される例でも,ただ症状緩和だけしか行わないことがあるのではないかと思います。
論文やエディトリアルには,有害反応がある化学療法をどれだけ生存期間の改善があるのか説明されていないことを問題にしています。
ただ闇雲に化学療法を勧めることは止めるべきと思いますが,効果予測因子を有し,全身状態が良好(PS2以下)で栄養状態が良好である患者さんには,どのような効果が期待できるのか,有害反応はどの程度かかを考慮にいれ,患者さんやご家族と相談しながら,QOLや生存期間の改善を期待するのは間違っていないと思います。
しかし,個別の予後予測は現段階では不可能に近いと思いますので,十分な有害反応対策を行いながら,耐えられない有害反応の出現,腫瘍増殖がみとめられたら,治療を中止することも必要と思います。
すなわち,緩和化学療法は患者さんに寄り添いながらQOLや生存期間の改善を期待するものです。
愛する方がこのような状況になったら,どのような医療を選択するかを考えていただければ幸いです。
【清宮のコメント】瀬戸山様、ありがとうございます。「緩和化学療法は,治癒の見込みがないがん患者に対して,QOLの向上,生存期間の延長を目的に行う化学療法のことと定義されて」いるとのこと大変勉強になりました。
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【清宮のコメント】コメントありがとうございます。ぜひ文献をお読みください。
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その節に腫瘍で延命をあきらめた患者に、この化学療法でどの程度延命しますよ、つらい?今の境遇がこれだけ伸びるんですよというより、患者の苦痛がどれほど緩和されますよと主治医は説明するでしょうし、両者の主たる関心はそこにあると思いますがどうでしょう。
【清宮のコメント】この文献でも示唆されていますが緩和化学療法をどうとらえるかは立場によって異なるようです。一般的に緩和化学療法がどうとらえられているかという議論をするのではなく、この文献に限っては緩和化学療法がどう捉えられているかを理解した上でこの研究の目的を議論すべきと思っています。
文献はオープンアクセスですのでぜひ文献を一度読んでいただきたいと思っています。doudaro-さんの疑問への回答は文献中に記載されています。
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Every year in the United Kingdom many thousands of patients are told they have incurable cancer and are offered palliative chemotherapy.
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たとえば、骨転移をきたしたターミナル癌患者の疼痛緩和にビスホスホネートなどの投薬が行われます。この緩和療法の目的は先ほどのQOL向上を目指すもので、延命効果について患者さんと検討する必要があるのでしょうか?
逆に、化学療法に注目すると、癌の治癒を目指す療法に思えますし、緩和療法の正反対のニュアンスが生じます。どうも、用語がよく分かりません。
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緩和化学療法で期待できる生存延長期間は患者に殆ど伝わっていない