Rocheの年2回皮下注射Ocrevusが多発性硬化症の再発や脳病変をほぼ完封
 ・ Ocrevus静注が承認済みである旨追記しました。
血流の妨げはないが危うい冠動脈硬化巣の経皮冠動脈インターベンションが有効
 ・ 誤記を訂正しました(再度の血行再建→血行再建)
抗生物質で心不全を治療できるかもしれない
 ・ 誤記を訂正しました(心臓発作に、、、→心臓発作後に、、、)
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[記事]Sirtris社化合物のSIRT1活性化作用は実験上の人為産物らしい」へのコメント

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「非天然基質実験」

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小野様、コメントありがとうございます。韓国のHwang Woo-suk(ファン・ウソク)氏の幹細胞研究スキャンダルはまだ研究段階だったので利害関係関与者の範囲が狭かったと思いますが、事業化→IPO→イグジットという華々しい成功を遂げたSirtris社の今回の問題に関与する利害関係者は莫大に多いでしょうね。大騒ぎになるのもよく分かります。

たとえSirtris社化合物にSIRT1の直接的活性化作用はなくても期待される薬効があるのならまだ救いがありますが、Pfizer研究者の追試に基づくとその救いも期待できそうにありません。

Pfizerの研究者によると、Sirtris社化合物のSIRT1活性化作用は非天然のフルオロフォア含有ペプチドを用いた試験でのみ評価されていました。

そこで今回Pfizer社の研究者は天然ペプチド基質を使ってSIRT1活性化を評価して否定的な結果を得たわけですが、危うさを孕んだ非天然基質実験の結果が検証されないままSirtris社のIPOや買収を成功させてしまったという今回の事例から多くのことを学べそうです。

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「レスベラトロールのニュースに関して」

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ボストン、ロングウッドにあるハーバードのメデイカルでは今この話題で大騒ぎになっています。実はこの問題は前から指摘されていました。当初、シンクレア博士は酵素の基質である蛍光ペプチドに問題があるから、臨床ですべてがはっきりするはずだといっていたのです。そして今回の結果になってしました。

しかしいくつかの謎がまだのこっています。

ひとつは2005年シンクレアが彼のメンターであるレニーガランテ(現MIT)と共同で行ったイーストを用いた発見がどのようにして行われたかです。どうして活性があるという結論が導き出されたのでしょう。シンクレアがこの発見をして発表したとき、ガランテのかつてのポスドクでこのプロジェクトに関わった人たちは疑問を表明し多くの議論がなされました。そんなわけで、NY タイムスやウオールストリートジャーナルがシンクレアのセンセーショナルな発見とそれに基づくSIRTRISというベンチャーの設立を華々しく報じたとき、彼の多くの友人たちはシンクレアを信じていましたが、ボストンのアカデミアには批判がかなりあったのも事実なのです。

今回ハーバード大もこの問題を正式に調査することを発表しています。もし今回の説明のつかない矛盾に関してシンクレアがなんらかの形で関わってっていたとすれば、大変なスキャンダルになるでしょう。

投資家の間ではGSKが買収に支払った金をとりもどすためSIRTRISの経営者とシンクレアを告訴するのではないかとみています。

もうひとつの謎はシンクレアが何度となく行った動物実験による薬効結果が、彼自身のラボではなくいくつかのコントラクトラボで実施されていたということです。このラボは私もよくつかっている信頼できるラボです。どうやって有意差のある薬効が第3者によって得られたのでしょう。

皮肉なことに、JBCの今月号にファイザーが行ったSIRTRIS化合物の検証実験結果が出ています。それは今回の矛盾を裏付けるものになっています。PFYZERはGSKよりも前にSIRTRISを買収すべきDUE DILIGENCEを行いました。すでに再現性のなさに気がついていたからこそ手をひいたのかもしれません。

この謎から今後も目が話せませんが。このままいくと、バイオテックが示した虚偽のデータを土台にして製薬会社が買収を行った最初の例になるかもしれません。
小野

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2010-01-27 - Pfizer(ファイザー)社の研究者による試験(1)によると、GlaxoSmithKline(グラクソスミスクライン)社に7億2000万ドルで買われたSirtris Pharmaceuticals社がワイン成分・レスベラトロル(resveratrol、レスベラトロール)よりも1000倍も強力なSIRT1活性化剤と説明していたSRT1720, SRT2183, SRT1460やレスベラトロルはSIRT1の直接的活性化剤ではありません。
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