腸が細菌を選ぶ
Free!ゼブラフィッシュとマウスの腸内微生物叢は6つの細菌門を共有していますが、それぞれの門に含まれる細菌種は異なります。
宿主の腸環境に特異的な因子が微生物群の構成に及ぼす影響を検討した研究成果が2006年10月20日のCell誌に発表されています。
マウスの腸内微生物叢を無菌ゼブラフィッシュに、ゼブラフィッシュの腸内微生物叢を無菌マウスにそれぞれ移植した結果、微生物群は予測どおりの構成を示しました。
つまり、移植された微生物群は、移植先宿主の本来の微生物群の構成に似た構成に変化しました。
したがって、ゼブラフィッシュとマウスの微生物群構成の違いには、それぞれの宿主の腸環境からの異なる選択圧が部分的に関与していると示唆されました。
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該当するデータが見つかりませんでした。
1stオーサーのRawls JF氏は他にどんなことをしているのかなと調べたら、2004年に以下のような報告を発表していました。
Gnotobiotic zebrafish reveal evolutionarily conserved responses to the gut microbiota. Proc Natl Acad Sci U S A. 2004 Mar 30;101(13):4596-601.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cm
\nd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=15070763&query_hl=3
\n&itool=pubmed_docsum
2004年のPNASの報告では、ゼブラフィッシュの腸内細菌と遺伝子発現の関連が調べられており、微生物叢によって調節される遺伝子群が同定されています。それらの遺伝子には、上皮の増殖の刺激、栄養代謝の促進、内因性免疫反応などに関与する遺伝子が含まれていたとのことです。
腸内細菌と腸の反応を詳しく調べれば、クローン病や潰瘍性大腸炎等の腸疾患の治療法の開発に役立つ知見が得られるかもしれません。