血流の妨げはないが危うい冠動脈硬化巣の経皮冠動脈インターベンションが有効
 ・ 誤記を訂正しました(再度の血行再建→血行再建)
抗生物質で心不全を治療できるかもしれない
 ・ 誤記を訂正しました(心臓発作に、、、→心臓発作後に、、、)
大規模小売のCostco(コストコ)が会員に薬の処方を含む肥満治療の提供を開始
 ・ 誤記を訂正しました(モウンジャロ→マンジャロ)

新規2型糖尿病患者を対象にしたロシグリタゾン vs メトフォルミンまたはグリブリドの比較試験

  • 2006-12-05 - 2型糖尿病の長期血糖コントロールの維持において、他の経口血糖剤に比べたチアゾリジンジオン化合物の効果は分かっていません。 (10 段落, 755 文字)
  • [全文を読むには有料会員登録が必要です]
  • [有料会員登録がお済みの方はログインしてください]
  • [メールマガジン(無料)をご利用ください]
全文記事サンプル [全文読める記事の一覧です]
この記事に対するコメントをお寄せ下さい

[この記事に対してコメントするには会員登録が必要です]

下記のフォームより、有料会員または無料メール会員のいずれかに登録してください。

[会員登録がお済みの方はログインしてください]

コメント一覧
2006-12-05 | 投稿者 : 清宮さん
診断間もない2型糖尿病患者を対象にした長期試験(ADOPT試験)の結果、メトフォルミンやグリブリドに比べてロシグリタゾン治療では治療失敗(空腹時血糖が180mg/dLを超えること)までの期間が延長することが確認されました。

 ▽新規2型糖尿病患者を対象にしたロシグリタゾン vs メトフォルミンまたはグリブリドの比較試験
  http://www.biotoday.com/view.cfm?n=16655

一見するとロシグリタゾンにとって好ましい報告のように見えます。

しかし、ロシグリタゾンのメーカーであるGlaxoSmithKline社がスポンサーとなり、さらにGlaxoSmithKline社が解析も行ったADOPT試験の内容をほんのちょっと吟味すると、ロシグリタゾンではなくてやはりメトフォルミンが2型糖尿病の薬物治療の第1選択薬として理に適っていると思う人が多いのではないかと思います。

ADOPT試験結果を吟味したエディトリアルがNEJM誌に発表されています(1)。

このディトリアルの著者は、糖化ヘモグロビンレベルではなく、空腹時血糖が180mg/dLを超えるということで定義される治療失敗がADOPT試験でプライマリーアウトカムとなっていることを“時代錯誤”であると批判しています。

なぜなら糖化ヘモグロビンレベルは合併症のリスクと最も相関し、10年以上前から糖尿病治療の代謝ターゲットとして使用されているからです。

メトフォルミンまたはグリブリドに比べてロシグリタゾンではそれぞれ治療失敗のリスクが32%、63%低下するという結果となっており、治療失敗をベースにした解析ではロシグリタゾンの効果が優れているように思えます。

しかし、プライマリーアウトカムとすることが妥当と考えられた糖化ヘモグロビンの結果からはロシグリタゾンで臨床的に卓越した効果が期待できるとはいえないようです。

治療4年時点でのロシグリタゾンの糖化ヘモグロビンの値はメトフォルミンに比べて0.13低いに過ぎません。

また4年時点で糖化ヘモグロビンのレベルが7%未満だった割合はロシグリタゾン治療群で40%、メトフォルミンで36%であり、ロシグリタゾンの方がかろうじて4%上回ったという程度でした。

この差は有意ではありましたが、はたして4年間でのこのような僅差が臨床上意義のある差といえるのかどうかは疑問です。

その他、ロシグリタゾンは体液貯留や体重増加のリスクもありますし、メトフォルミンに比べて値段も高いです。

それに、ロシグリタゾンと同じくチアゾリジンジオン化合物に属するピオグリタゾンの臨床試験(PROACTIVE)(2)で示された心血管イベントリスク軽減作用は今回のADOPT試験では支持されませんでした。

以上のような観点から、エディトリアルの著者は、2型糖尿病の初期薬物治療ではメトフォルミンを使用することが理に適っていると結論しています。

(1)Editorial: Thiazolidinediones for Initial Treatment of Type 2 Diabetes?
http://content.nejm.org/cgi/reprint/NEJMe068264v1.pdf

(2)Secondary prevention of macrovascular events in patients with type 2 diabetes in the PROactive Study (PROspective pioglitAzone Clinical Trial In macroVascular Events): a randomised controlled trial. Lancet. 2005 Oct 8;366(9493):1279-89.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cm
\nd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=16214598&query_hl=5
\n&itool=pubmed_docsum
会員様ログイン
メール会員(無料)募集中

メール会員登録(無料)をされますと、BioTodayに登録された記事を毎日メールでお知らせします。また、メール会員登録されますと、毎週月曜からの一週間あたり2つの記事の全文閲覧が可能になります。

メール配信を希望される方は、以下の欄にメールアドレスを入力下さい。

◇メール会員登録までの流れ

  1. メールアドレスを入力
  2. 入力したメールアドレスに自動生成されたパスワードが届けられる

後は、自動生成されたパスワードと登録したメールアドレスでログインすると毎週月曜からの一週間あたり2つの記事の全文閲覧が可能になります。

質問検索
BioToday 非会員の方へ

質問を投稿して頂くには、メール会員登録が必要です。

会員登録がお済みの方へ

質問を投稿して頂くには、ログインが必要です。
下記のリンクからログインしてください。

My Book

バイオを応用して開発中の新薬を紹介した本です。2001年10月に出版したものです。Amgen社のEPOGEN誕生の経緯やグリベック誕生までの道のりなど、現在販売されているバイオ医薬品の歴史について知りたい方には役に立つのではないかと思います。