作業療法は認知症患者の日常生活機能を改善し、介護者の負担を軽減する
- 2006-12-11 - 軽度〜中等度の認知症を有する65歳以上の高齢者135人とその介護者を対象にした試験の結果、地域をベースにした作業療法は患者の生活機能(daily function )を改善し、介護者の負担を減らすと分かりました。 (6 段落, 561 文字)
- [全文を読むには有料会員登録が必要です]
- [有料会員登録がお済みの方はログインしてください]
- [メールマガジン(無料)をご利用ください]
2020-02-19|認知症
+ βアレスチン2の重合体を減らす遺伝子治療でマウスのタウ凝集病変が激減
2019-12-11|認知症
+ 炎症指標sCD14の血漿濃度が高いほど脳萎縮、認知機能低下、認知症をより被る
2019-08-08|認知症
+ 50歳時点で心血管がより健全だとその後認知症を生じ難い
2019-07-17|認知症
+ 絶えず教養を培って社交的な人は認知症になりにくい
2018-12-26|認知症
+ 記憶低下と関連するタウ遺伝子変異がGABA受容体発現低下を招くことが判明
▽作業療法は認知症患者の日常生活機能を改善し、介護者の負担を軽減する
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=16764
特に患者の作業遂行技能の改善は著しく、作業療法群の84%で臨床上意義のある改善が認められました。一方コントロール群で作業遂行技能が臨床上意義のある改善を達成した割合は僅かに9%でした。
この結果から、臨床上意義のある運動・プロセス技能スコア改善を1例得るのに必要な治療患者数(number needed to treat、NNT)は1.3人と算出されました。
すなわち13人が6週間作業療法を受けると臨床上意義のある作業遂行技能の改善が10人の患者で得られることになり、作業療法は非常に効率が良い治療法である事が分かります。
今回の試験では、作業療法とコントロール群ではともに有害事象は報告されませんでした。したがって、通常はNNTとセットで考慮する必要がある「1件の副作用が起きるに必要な患者数(NNH)」はこの試験では無視することができます。
◇今後について
今回の試験には、コリンエステラーゼ阻害剤を安定して服用している患者が参加しました。したがって、作業療法は薬物治療の効果にさらに相加的な効果をもたらしたことになります。
今後は今回の試験成績を再現する必要があると同時に、コリンエステラーゼ阻害剤未使用下での作業療法の効果を調べたり、コリンエステラーゼ阻害剤と作業療法の直接比較試験などを実施していくべきでしょう。