ABCトランスポーターと相互作用するタンパク質を同定しうる新手法が開発された
Free!膜貫通タンパク質であるATP結合カセット(ABC)トランスポーターはヒトの健康や疾患において重要な役割を担っています。
最も良く知られたABCトランスポーターの1つは、CFTR (Cystic fibrosis transmembrane conductance regulator) です。変異して機能しなくなるとCFTRは嚢胞性線維症を引き起こします。
MRP(Multidrug Resistance Protein)も良く知られたABCトランスポーターです。MRPの過剰発現は薬剤耐性腫瘍に関与することが示唆されています。
ABCトランスポーターは高度に疎水性なので、従来の生化学的手法でこのトランスポーターと相互作用するタンパク質を同定することは困難でした。
しかしこのたび、トロント大学の研究者等によってABCトランスポーターと相互作用するタンパク質を同定する新手法が開発されました。その新手法をiMYTH (or integrated membrane yeast-two hybrid system) といいます。
この手法により、酵母ABCトランスポーター・Ycf1pと相互作用しうる6つのタンパク質を同定できたことが2007年4月13日のMolecular Cell誌に発表されています。
生化学的・遺伝的検査により、Ycf1pの相互作用因子の1つ・Tus1pは全く新しい方法でYcf1pトランスポーター機能を調節して細胞外への毒素排出を促進していると分かりました。
この研究成果から、ABCトランスポーターと物理的に相互作用したりABCトランスポーターを調節したりするタンパク質がiMYTHを用いて同定しうると分かりました。
2020-01-29|嚢胞性線維症
+ CF患者に増えている非結核性抗酸菌感染に抗生剤3つの併用が有望
2019-12-08|嚢胞性線維症
+ 嚢胞性線維症の炎症や緑膿菌感染をNLRP3インフラマソーム阻害剤で阻止しうる
2019-11-03|嚢胞性線維症
+ FDAに最近承認されたVertex社の嚢胞性線維症薬TRIKAFTAのPh3試験論文報告
2019-08-09|嚢胞性線維症
+ 嚢胞性線維症患者の鼻腔のマイクロ光干渉断層撮影で線毛欠損などが判明
2019-07-06|嚢胞性線維症
+ PTEN不調に伴うコハク酸過多が嚢胞性線維症患者の緑膿菌感染を助長しうる
2020-03-02|癌全般
+ 高用量ビタミンCで免疫チェックポイント阻害剤の抗癌効果を増強しうる
2020-02-23|癌全般
+ PD-1阻害剤はオピオイド・モルヒネの鎮痛作用を妨げうる
2020-02-17|癌全般
+ マンノース受容体活性化剤は腫瘍取り巻きマクロファージを腫瘍攻撃型にする
2020-02-16|癌全般
+ 性交渉を含む付き合いが10人以上とあった人が癌をより被っていた
2020-02-14|癌全般
+ 抗PD-L1/CTLA-4ナノボディ発現細菌の腫瘍投与でマウス全身の癌を駆除できた
この記事についてのコメントは、まだ投稿されていません。