プライマリーアウトカムが良好な事と薬剤の臨床ベネフィットが常に関連するとは限らない〜ADOPT試験の例
Free!臨床試験において、何をプライマリーアウトカムにするかはとても重要な問題です。
新たに2型糖尿病と診断された患者を対象にしたADOPT試験では、ロシグリタゾン、メトフォルミン、グリブリドの単剤治療失敗までの期間(プライマリーアウトカム)が4年間にわたって比較されました。空腹時血糖値が180mg/dLを超える濃度になることが単剤治療失敗と定義されました(2006年12月5日BioToday)。
試験の結果、プライマリーアウトカムである単剤治療失敗までの期間はロシグリタゾンが有意に優れていましたが、患者にとってより重要な転帰と考えられる死亡率や入院率については治療群間で差は認められませんでした。
BMJ誌のエディトリアルの中で、プライマリーアウトカム選択の重要性に関して言及している部分でADOPT試験の結果が取り上げられています。
ADOPT試験での有害事象のリストを見渡したところでは、単剤治療失敗までの期間が長くなったことで患者が何らかの恩恵をうけれると結論することは困難であるとBMJのエディトリアリストは言っています。
- ・ ジャーナル > 総合医学誌 > New England Journal of Medicine(NEJM)
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