大うつ病患者へのNeurocrine社のAMPA受容体増強薬のPh2試験で有意効果あり
 ・ タイトルの誤記を訂正しました(Ph1試験→Ph2試験)。
先立つ治療を少なくとも1回経ている骨髄腫へのJ&JのCarvykti使用を欧州も承認
 ・ BMSのBCMA標的CAR-T・Abecmaの欧州での承認について短く追記しました。
デングウイルスやジカウイルスを阻止する細菌をヒトスジシマカの腸から同定
 ・ 関連ニュースを追加しました。
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[記事]生後3-5日のマウスの網膜細胞が移植に最適」へのコメント

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「網膜細胞移植の歴史」

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網膜移植の歴史は古く、正常なサンショウウオの眼を移植すると、洞穴に暮らす盲目のサンショウウオに視覚を授けうることが1920年代に確認されています(1)。

哺乳類での最初の網膜の移植は1959年にRoyoとQuay等が成功させました(2)。この実験では、胎児ラットの網膜が成体マウスの眼に移植され、移植された網膜と移植先網膜が連結した様子は認められませんでしたが、移植網膜は移植先のマウスにおいて数ヶ月間生存しました。

その後ラットやマウスで網膜シートの移植の移植が試みられましたが、移植先の網膜と効果的に統合したり相互作用したりする作用は認められませんでした。

さらに研究が進み、網膜前駆細胞を用いた移植実験が始まります。

網膜前駆細胞を培養すると新たな神経細胞やミュラーグリアという細胞が形成されます。これらの細胞をラットやマウスの網膜に移植すると、これらの細胞は全ての網膜層に移動し、様々な網膜細胞の形態学的な特徴を発現することが確認されました。

しかしながら、これらの移植細胞は錐体細胞や桿体細胞が存在する外顆粒層には効果的に統合されていないようでした。

以上の研究成果を背景として、MacLaren等は、どの時期の網膜前駆細胞なら外顆粒層に最も効果的に統合されるかをマウスで検討し、生後3-5日のマウスの網膜前駆細胞が移植先のマウスの外顆粒層に効果的に統合することを突き止めました(3)。


(1)RETURN OF VISION IN LARVAL EYES EXCHANGED BETWEEN AMBLYSTOMA PUNCTATUM AND THE CAVE SALAMANDER, TRYPHLOTRITON SPELAEUS. Invest Ophthalmol. 1964 Dec;3:555-65.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?holding=npg&cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=14238868&dop
\nt=Abstract


(2)Retinal transplantation from fetal to maternal mammalian eye. Growth. 1959 Dec;23:313-36.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?holding=npg&cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=14439778&dop
\nt=Abstract


(3)生後3-5日のマウスの網膜細胞が移植に最適
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=16224

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2006-11-11 - 網膜での桿体視細胞の形成のピーク時からおよそ2-3日後に相当する生後3-5日目のマウスの網膜細胞を盲目マウス(ドナーマウス)に移植すると、移植細胞は盲目マウスの網膜に生着して他の神経細胞と回路を形成すると分かりました。また、この移植により、盲目マウスの光への反応性が回復しました。
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