“枕の天使”アシュレーちゃんの治療経過を両親がブログで報告
Free!両親の熟考の上での決断により、改善が見込めない重症の脳損傷・非進行性脳症(static encephalopathy)を患い生後3ヶ月時点の精神状態のまま体だけが成長した9歳の少女・Ashley(アシュリー)ちゃんの子宮と乳房芽(breast bud)がシアトルのChildren's Hospitalで2004年7月に切除されました(参考:2006年11月6日BioToday)。
また、成長を抑制するためのホルモン治療が2004年7月に開始されました。このホルモン治療により未治療の場合に比べて、身長を20%、体重を40%抑制できると予想されています。
常時枕の上で愛らしく横たわるAshleyちゃんを“Pillow Angel(枕の天使)”と呼んで可愛がる両親が、Ashleyちゃんの治療やその後の経過をブログで紹介しています。また、この治療にまつわる誤解を解く為に、この治療を決断するに至った理由やその意図もこのブログに記されています。
この両親は、The "Ashley Treatment"というブログで、介護者の利便のためではなく、アシュリーちゃんの生活の質を改善するために今回の治療を決断したと説明しています。
両親曰く「アシュリーは子供を授かれないので子宮は不要です。」また、子宮を切除することで生理がなくなり、生理に伴う出血や不快感を経験せずに済みます。
また子宮を切除することで、万が一アシュレーちゃんが性的虐待の犠牲になった場合に妊娠の可能性を回避することができると両親は説明しています。
乳房芽の切除については、性的虐待を回避するためであると同時に、横たわっている時のアシュレーちゃんの不快感を取り除くことも目的としています。
両親が開設したブログでアシュレーちゃんの写真が14枚紹介されています。成長の様子が分かると同時に、両親の愛情も伝わってきます。
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この治療が正しいかどうかは別にして、子供を愛しており、この治療に付随する全ての出来事に対処しうる意思や能力が両親にあることが確認できれば、治療の選択肢の一つとして妥当なのではないかと思います。
この両親は大卒で専門職についており、写真の背景などを見るに、経済的に余裕がありそうです。ですので、もしアシュレーちゃんが両親よりも長生きした時などもアシュレーちゃんが不自由しないような対策をとっているのではないかと思います。
もし今後この治療が重度の精神遅滞の小児の治療法の一つになるとするなら、医療従事者は治療後のイベントに対する両親の精神的・経済的対処能力等を時間をかけて見極める必要があるのではないかと思いました。