リシルオキシダーゼ(lysyl oxidase、LOX)は腫瘍転移の予防・治療ターゲットとして有望
Free!そのメカニズムは不明ですが、癌の転移には低酸素が関与しています。
これまでの研究で、低酸素状態のヒト腫瘍細胞ではリシルオキシダーゼ(lysyl oxidase、LOX)の発現が亢進することが示唆されていました。
このたび、低酸素状態で活性化される転写因子・HIF-1によってLOXの発現は調節され、LOXの発現は乳癌と頭頸部癌における低酸素状態と関連すると分かりました。
LOXを高発現している腫瘍を有する患者は、遠位の転移がない生存または全生存が短くなっていました。
乳癌マウスにおいてLOXを阻害すると転移は起きませんでした。
また、実験の結果から、転移癌の増殖が可能となる隙間(ニッチ)を作るのにLOXは必要とされていると考えられました。
以上より、低酸素状態で生じる転移においてLOXは中心的な役割を担っており、転移の予防・治療ターゲットとして有望と考えられました。
- LOX holds a key to curbing cancer's spread / NewScientist
2020-03-02|癌全般
+ 高用量ビタミンCで免疫チェックポイント阻害剤の抗癌効果を増強しうる
2020-02-23|癌全般
+ PD-1阻害剤はオピオイド・モルヒネの鎮痛作用を妨げうる
2020-02-17|癌全般
+ マンノース受容体活性化剤は腫瘍取り巻きマクロファージを腫瘍攻撃型にする
2020-02-16|癌全般
+ 性交渉を含む付き合いが10人以上とあった人が癌をより被っていた
2020-02-14|癌全般
+ 抗PD-L1/CTLA-4ナノボディ発現細菌の腫瘍投与でマウス全身の癌を駆除できた
この記事についてのコメントは、まだ投稿されていません。