ブタ膵臓細胞移植の進歩・セルトリ細胞の応用
Free!「ブタの膵臓細胞を、ブタの精巣にあるセルトリ細胞と共に12人の1型糖尿病患者(11歳-17歳)に移植したところ、12人中1人の少年は1年間インスリン投与が不要であった」という臨床試験結果がメキシコの子供病院(Children's Hospital of Mexico)の研究者等によって、フロリダ州マイアミで開催されているInternational Congress of The Transplantation Societyで発表されました。
セルトリ細胞は精子に栄養を与える精子の保護者のような細胞です。最近の研究によって、このセルトリ細胞には免疫細胞のうちのT細胞の作用を調節する作用があるとわかってきました。
そこでメキシコの研究者等は、インスリンを作るブタの膵臓細胞と共にセルトリ細胞を12人の1型糖尿病患者に移植することで拒絶反応が防げるのではないかと考えました。そのアイデアが功を奏し、12人のうちの1人は移植後1年間にわたってインスリンと免疫抑制剤なしで健康に生活することができました。この1人の患者以外も、セルトリ細胞の助けを得て膵臓細胞の働きに改善が見られつつあるとのことです。
毎日痛い注射をしなければならない、という子供にとっては非常につらい状況が早く過去の遺物として忘れ去られる日が来ることを願っています。
Islet Cell Transplantation For Diabetes Turns Corner; Pig Cell Transplant Has One Child Off Insulin; Use Of Embryonic Stem Cells Discussed
http://www.sciencedaily.com/releases/2002/08/020828063019.htm
Transplantation Society
http://www.transplantation-soc.org/
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