Metsera社の超長持ちなアミリンの類いがGLP-1薬に比肩する体重減少を示した
 ・ 誤解を訂正しました。8.4%の体重減少がプラセボ群の体重変化と差し引きである旨追記しました。
基底細胞が小細胞肺癌の起源となる
 ・ 表現を訂正しました(基底細胞こそタフト様を含むSCLCの起源→基底細胞がタフト様を含むSCLCの起源となる)
妊娠糖尿病を生じる恐れが大きい女性への食事習慣や運動の指南の効果示せず
 ・ 食事習慣の説明を加えました。

慢性疼痛を和らげる薬・A-317491

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2002-12-05 | コメント

「P2X3とP2X2/3という受容体を遮断する物質・A-317491は、モルヒネとは違って疼痛緩和効果が長期間持続し、かつモルヒネで問題となる副作用もおこさなかった」というラットでの実験結果がAbbott社(ABT)の研究者等によって2002年12月5日のPNAS誌に発表される予定です。

慢性的な疼痛にはモルヒネがしばしば使用されます。モルヒネは非常に痛み緩和作用の強い薬ですが、同時に循環器、消化器、神経系に重大な副作用も起きます。また、使用し続けると効果が弱まり、量を増やさなければならなくなります。

Abbott社の研究者等は、モルヒネのような強い副作用が無く、かつ長期間服用しても効果が持続する薬を開発するにあたって、P2X3とP2X2/3という受容体に目をつけました。P2X3とP2X2/3受容体は痛みに関わる神経に存在し、これを刺激すると痛みがおこると考えられています。理論的には、これらの受容体を遮断する化合物は痛みを緩和する作用があります。そんな化合物の1つがAbbott社の開発したA-317491です。

論文に掲載されたデータによると、ラットに慢性的な疼痛をおこしてA-317491を投与したところ、疼痛が緩和することが確認されました。またモルヒネのような重大な副作用も起こらず、効果も持続しました。しかし、慢性の疼痛には効果があっても急性の痛みにはあまり効果がなかったとのことです。

今後副作用が無く、かつ耐性ができにくい痛み緩和薬として開発が進んでいくでしょう。

Compound relieves chronic pain in rats
http://www.reutershealth.com/archive/2002/12/03/eline/links/20021203elin017.html
Proceedings of the National Academy of Sciences Early Edition 2002;10.1073/pnas.252537299

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