遺伝性心房細動の原因遺伝子発見
Free!「カリウムチャンネルの1部を構成するKCNQ1というタンパク質の遺伝子に変異があると心房細動をおこす」ことが中国とフランスの研究者等による共同研究によって明らかとなりました。
心室に血液を送り出すために、心房を構成する細胞は一斉に同調して収縮したり拡張したりします。心房細動になると同調できなくなり、効率的に心室に血液を送り出せなくなります。すると体内の血液循環が悪化して血栓が出来、心不全などの病気にかかりやすくなります。
研究者等は遺伝的に心不全をおこす家系の遺伝子を調べ、KCNQ1というカリウムチャネルを構成するタンパク質の遺伝子変異が彼等の心不全の原因であると同定しました。カリウムチャネルは、心房が同調して収縮・拡張するために細胞内と細胞外の電位差を保つのに必要な物質です。
心房細動は様々な原因によっておきる病気で、遺伝子変異が原因とは限りません。心臓に負担をかける様々な要因(肥満、高血圧等)によっておこやすくなります。
今回の研究は遺伝性の心房細動患者から得られた成果ですが、KCNQ1の作用不全が他の心房細動の原因となっているかもしれません。したがってKCNQ1の作用を補正する物質は新しい心房細動の治療薬になる可能性があります。
Gene behind inherited heart irregularity found[link]
KCNQ1 Gain-of-Function Mutation in Familial Atrial Fibrillation
Science Jan 10 2003: 251-254
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