Metsera社の超長持ちなアミリンの類いがGLP-1薬に比肩する体重減少を示した
 ・ 誤解を訂正しました。8.4%の体重減少がプラセボ群の体重変化と差し引きである旨追記しました。
基底細胞が小細胞肺癌の起源となる
 ・ 表現を訂正しました(基底細胞こそタフト様を含むSCLCの起源→基底細胞がタフト様を含むSCLCの起源となる)
妊娠糖尿病を生じる恐れが大きい女性への食事習慣や運動の指南の効果示せず
 ・ 食事習慣の説明を加えました。

遺伝性心房細動の原因遺伝子発見

Free!
2003-01-13 | コメント

「カリウムチャンネルの1部を構成するKCNQ1というタンパク質の遺伝子に変異があると心房細動をおこす」ことが中国とフランスの研究者等による共同研究によって明らかとなりました。

心室に血液を送り出すために、心房を構成する細胞は一斉に同調して収縮したり拡張したりします。心房細動になると同調できなくなり、効率的に心室に血液を送り出せなくなります。すると体内の血液循環が悪化して血栓が出来、心不全などの病気にかかりやすくなります。

研究者等は遺伝的に心不全をおこす家系の遺伝子を調べ、KCNQ1というカリウムチャネルを構成するタンパク質の遺伝子変異が彼等の心不全の原因であると同定しました。カリウムチャネルは、心房が同調して収縮・拡張するために細胞内と細胞外の電位差を保つのに必要な物質です。

心房細動は様々な原因によっておきる病気で、遺伝子変異が原因とは限りません。心臓に負担をかける様々な要因(肥満、高血圧等)によっておこやすくなります。

今回の研究は遺伝性の心房細動患者から得られた成果ですが、KCNQ1の作用不全が他の心房細動の原因となっているかもしれません。したがってKCNQ1の作用を補正する物質は新しい心房細動の治療薬になる可能性があります。

Gene behind inherited heart irregularity found[link]
KCNQ1 Gain-of-Function Mutation in Familial Atrial Fibrillation
Science Jan 10 2003: 251-254

この記事に対するコメントをお寄せ下さい

[この記事に対してコメントするには会員登録が必要です]

下記のフォームより、有料会員または無料メール会員のいずれかに登録してください。

[会員登録がお済みの方はログインしてください]

コメント一覧

この記事についてのコメントは、まだ投稿されていません。

会員様ログイン
メール会員(無料)募集中

メール会員登録(無料)をされますと、BioTodayに登録された記事を毎日メールでお知らせします。また、メール会員登録されますと、毎週月曜からの一週間あたり2つの記事の全文閲覧が可能になります。

メール配信を希望される方は、以下の欄にメールアドレスを入力下さい。

◇メール会員登録までの流れ

  1. メールアドレスを入力
  2. 入力したメールアドレスに自動生成されたパスワードが届けられる

後は、自動生成されたパスワードと登録したメールアドレスでログインすると毎週月曜からの一週間あたり2つの記事の全文閲覧が可能になります。

質問検索
BioToday 非会員の方へ

質問を投稿して頂くには、メール会員登録が必要です。

会員登録がお済みの方へ

質問を投稿して頂くには、ログインが必要です。
下記のリンクからログインしてください。

My Book

バイオを応用して開発中の新薬を紹介した本です。2001年10月に出版したものです。Amgen社のEPOGEN誕生の経緯やグリベック誕生までの道のりなど、現在販売されているバイオ医薬品の歴史について知りたい方には役に立つのではないかと思います。