mTOR阻害剤・rapamycinはガン細胞を特異的に破壊する
Free!「rapamycin(ラパマイシン)は癌の栄養供給に必要なタンパク質mTORを阻害し、ガン化抑制蛋白質・p53を欠くガン細胞を特異的に破壊する」という研究成果がSt. Jude Children's Research Hospitalの研究者等によって2003年6月20日のMolecular Cell誌に発表されています。
癌細胞が分裂するときには栄養を必要としますが、mTORはその栄養補給に必須の蛋白質です。
ラパマイシンがmTORを阻害するとASK1というタンパク質が活性化します。続いてASK1は細胞死に繋がる一連の反応・JNKカスケードのスイッチを入れてガン細胞を自滅させます。
p53が機能している正常な細胞ではASK1の作用はp21タンパク質に阻害されるためJNKカスケードは作動せず、細胞は自滅しません。
ガン細胞のおよそ半分はp53を欠損していると考えられています。
Ariad社が開発しているAP23573はmTORを阻害する作用があります。
△Researchers Find New Way To Trigger Self-Destruction Of Certain Cancer Cells
△Sustained Activation of the JNK Cascade and Rapamycin-Induced Apoptosis Are Suppressed by p53/p21Cip1. Molecular Cell, Vol 11, 1491-1501, June 2003
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