免疫細胞を訓練してメラノーマを撃退
Free!「患者の体から免疫細胞(T細胞)を取り出し、ガンを攻撃するように訓練した上でメラノーマ患者12人の体内に戻したところ6人の癌が少なくとも50%以下に縮小した」という試験成果が米国国立癌研究所(National Cancer Institute、NCI)の研究者等によってScience誌にオンラインバージョンに発表されました。
NCIの研究者等が今回の試験で開発した方法は3段階にわかれます。
まず免疫細胞とガン細胞を患者の体内から取り出して、ちょうど麻薬犬に麻薬を嗅がせて麻薬を認識させるように、免疫細胞にガン細胞接触させててガンへの攻撃能力を付与します。
続いて患者に強烈な化学療法を施し、患者の免疫細胞を撃退します。こうすることで体外でガン細胞への攻撃能力を付与した免疫細胞(ガン標的T細胞)のためのスペースを空けます。
そして最後にガン標的T細胞を患者の体内に戻し、ガン標的T細胞の成長を促すIL2という物質を投与します。こうすることでガン標的T細胞を長生きさせます。
この免疫強化療法を12人のメラノーマ患者に施したところ、上述したように6人の患者で癌病巣が少なくとも50%以下に縮小したのです。
今回はメラノーマを対象にしましたが今後他の様々な癌でも試していく予定です。また、ガンに限らずAIDS等の感染症の予防、治療への応用も期待できます。
Cancer Regression and Autoimmunity in Patients After Clonal Repopulation with Antitumor Lymphocytes. Published online September 19, 2002
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/1076514v1
Immune cells 'beat cancer'
http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/2268735.stm
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