Metsera社の超長持ちなアミリンの類いがGLP-1薬に比肩する体重減少を示した
 ・ 誤解を訂正しました。8.4%の体重減少がプラセボ群の体重変化と差し引きである旨追記しました。
基底細胞が小細胞肺癌の起源となる
 ・ 表現を訂正しました(基底細胞こそタフト様を含むSCLCの起源→基底細胞がタフト様を含むSCLCの起源となる)
妊娠糖尿病を生じる恐れが大きい女性への食事習慣や運動の指南の効果示せず
 ・ 食事習慣の説明を加えました。

免疫細胞を訓練してメラノーマを撃退

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2002-09-22 | コメント

「患者の体から免疫細胞(T細胞)を取り出し、ガンを攻撃するように訓練した上でメラノーマ患者12人の体内に戻したところ6人の癌が少なくとも50%以下に縮小した」という試験成果が米国国立癌研究所(National Cancer Institute、NCI)の研究者等によってScience誌にオンラインバージョンに発表されました。

NCIの研究者等が今回の試験で開発した方法は3段階にわかれます。

まず免疫細胞とガン細胞を患者の体内から取り出して、ちょうど麻薬犬に麻薬を嗅がせて麻薬を認識させるように、免疫細胞にガン細胞接触させててガンへの攻撃能力を付与します。

続いて患者に強烈な化学療法を施し、患者の免疫細胞を撃退します。こうすることで体外でガン細胞への攻撃能力を付与した免疫細胞(ガン標的T細胞)のためのスペースを空けます。

そして最後にガン標的T細胞を患者の体内に戻し、ガン標的T細胞の成長を促すIL2という物質を投与します。こうすることでガン標的T細胞を長生きさせます。

この免疫強化療法を12人のメラノーマ患者に施したところ、上述したように6人の患者で癌病巣が少なくとも50%以下に縮小したのです。

今回はメラノーマを対象にしましたが今後他の様々な癌でも試していく予定です。また、ガンに限らずAIDS等の感染症の予防、治療への応用も期待できます。

Cancer Regression and Autoimmunity in Patients After Clonal Repopulation with Antitumor Lymphocytes. Published online September 19, 2002
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/1076514v1
Immune cells 'beat cancer'
http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/2268735.stm

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