Metsera社の超長持ちなアミリンの類いがGLP-1薬に比肩する体重減少を示した
 ・ 誤解を訂正しました。8.4%の体重減少がプラセボ群の体重変化と差し引きである旨追記しました。
基底細胞が小細胞肺癌の起源となる
 ・ 表現を訂正しました(基底細胞こそタフト様を含むSCLCの起源→基底細胞がタフト様を含むSCLCの起源となる)
妊娠糖尿病を生じる恐れが大きい女性への食事習慣や運動の指南の効果示せず
 ・ 食事習慣の説明を加えました。

乳癌治療薬・Avastin 効果証明できず

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2002-09-11 | コメント

2002年9月10日、サンフランシスコに本社をおくバイオベンチャーのパイオニア・Genentech社(DNA)は、Avastin(bevacizumab, rhuMAb-VEGF、抗VEGFモノクローナル抗体)が転移性乳癌を対象にした第3相試験で有効性を証明できなかったと発表しました。このニュースによりGenentech社の株価は10%近く下落しました(2002年9月10日)。

第3相試験には過去にanthracyclineとtaxaneを基本とした化学療法剤の治療を受けたことのある乳癌患者462人が参加しました。この462人を2群にわけ、一方にはAvastinとXeloda(capecitabine)を、一方にはXelodaだけを投与して、病気の進行が止まった状態(progression-free survival)をどれだけ長く保てるかを両群で比較しました。

この結果、Avastin+Xeloda群とXeloda群で、病気の進行が止まった期間で差がつきませんでした。すなわち、Avastinには乳癌の悪化を食い止めるという有効性は無いという結果になってしまったのです。

今回紹介した転移性乳癌患者を対象にした第3相試験では有効性を示せませんでしたが、Avastinは乳癌以外にも大腸ガン、非小細胞肺ガン、腎臓ガンを対象として試験が進んでいます。したがって乳癌に対する販売許可は下りなかったとしても、他のガンを対象にして販売許可がおりる可能性は充分にあります。

Avastinは、癌の血管新生に関わるVEGFという物質を標的としたモノクローナル抗体です。癌の血管新生を阻害することで癌のライフラインを絶ち、ガン細胞を餓死させる働きがあるとされます。

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