心筋細胞のミオシン太繊維の詳細な3次元立体構造がとうとう判明

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2023-11-19 | コメント

心筋細胞内の太繊維のミオシンが細繊維を引っ張ることで心筋が収縮し、そのおかげで心臓は血液を送り出すことができます。太繊維はミオシンの他に生理信号に応じて収縮のほどを調節する心筋ミオシン結合蛋白質C(cMyBP-C)と繊維組み立ての足場を担うタイチンを含みます。太繊維を構成するそれら3つに生じる変異は悪くすると心不全を引き起こします。

60年来謎だった太繊維の分子の立体配置図をついに2つのチームがそれぞれ独自に明らかにし、どちらの成果もNatureに時を同じくして報告されました。

たとえばタイチンα鎖は太繊維の端から端まで寄り添うのに対してタイチンβ鎖はそうはなっていませんでした。

また、cMyBP-Cは細繊維と太繊維を橋渡ししており、cMyBP-CのN末端領域は細繊維、C末端領域は太繊維のミオシンの尾部や頭部に結合しうることが示されました。

cMyBP-CのC末端領域とミオシンの結合(相互作用)は細繊維との連結がないミオシン休止状態(myosin OFF stateまたは)の安定化に寄与しているようです。cMyBP-Cとミオシンのそのような相互作用は肥大型心筋症の治療薬と標的として検討の価値があるようです。

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