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降圧薬・ヒドララジンはアクロレリンの細胞毒性を緩和する作用がある

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2006-04-23 | コメント

脂質過酸化反応による生成物・Acrolein(アクロレリン)は、中枢神経外傷と神経変性疾患の両方に関与しています。半減期が長いことから、2次的損傷プロセスにおいて、強力な内因性の毒素としてアクロレリンは健康な細胞を殺傷します。

これまで、損傷後に発現する進行性の細胞死は、フリーラジカル(活性酸素種)を除去することで食い止められる考えられてきました。しかし、動物実験ではその考え方を支持する結果が得られても、臨床試験ではフリーラジカルの除去で中枢神経損傷後の細胞死を食い止められるという結果は得られていません。

脂質過酸化反応生成物を除去することで神経細胞への毒性を緩和しうる可能性がありますが、その可能性は殆ど調べられていません。

よく知られた降圧剤・ヒドララジン(Hydralazine)は、アクロレリンと相互作用してヒドラゾンを形成します。

Purdue University大学のLiu-Snyder等は「ヒドララジンとアクロレリンの相互作用でヒドラゾンアダクトが形成されることで、アクロレリンの毒性が緩和される」という仮説を立て、PC12細胞においてこの仮説を検証してみました。

実験の結果、予想通り、1 mMのヒドララジンを投与すると、アクロレリンの毒性からPC12細胞を80%以上救済できると分かりました。

この結果は2006年4月17日のJ Neurosci Res誌に発表されています。

今回の結果から、アクロレリンの毒性を緩和することで、損傷や神経疾患に伴う2次的損傷を予防しうると考えられました。

すなわち、血圧に影響を与えずにアルデヒドを除去する性質を有する化合物は、神経細胞の死滅を予防する薬剤として有望と考えられました。

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