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バイオテクノロジー医薬品のジェネリックに関する議論がアメリカで再燃

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2006-06-02 | コメント

Novartis社の成長ホルモン製剤後発品・OmnitropeがアメリカFDAに承認されました。この承認を受けて、数十億ドルもの価値があるその他のバイオテクノロジー薬剤のパテントが切れた時に、Omnitropeと同じような承認申請をFDAはどのように扱うべきかについて製薬業界とアメリカ政府の中で熾烈な議論が再燃しています。

薬価が高いバイオテクノロジー医薬品はジェネリックメーカーにとって魅力的なターゲットになっています。

FDAは、Omnitropeの承認で同じような薬剤の承認のための経路が確立したわけではなく、議会は法律を制定してFDAにそのような権限を与える必要があると説明しています。

今回のOmnitropeの販売承認では、FDAは、ジェネリックという表現は使っておらず、Omnitropeは後発品として承認したと主張しています。

ジェネリック賛同者は、2010年までには600億ドル市場になると見込まれているバイオテクノロジー業界において、今回のFDAの承認はジェネリック競争の扉を開けたと考えています。

また、Generic Pharmaceutical Associationの最高責任者・Kathleen Jaegerは、今回のOmnitropeの承認が、バイオテック医薬品のジェネリック承認の明確なモデルになっていると考えています。

Jaeger氏によると、彼が率いる協会は、バイオテックのジェネリック製品の承認権限をFDAに与える法律を議員と共同で作成しているとのことです。

アナリストは、Novartis社の成長ホルモン後発品・Omnitropeは、先発の成長ホルモン・Genotropinよりもおよそ25%安い値段で販売され、Pfizer社の成長ホルモンの年間売り上げ8億800万ドルの大半を奪っていくのではないかと推測しています。

ジェネリック協会が賛同を示す一方で、Biotechnology Industry Organization(BIO)はバイオテック医薬品のジェネリックの承認にはもっと厳密で長期の高価なテストが必要と主張しています。

特定の商品に関してはコメントしていませんが、BIOはバイオテック製品のジェネリックにはより広範囲な臨床テストが必要と改めて訴えました。

バイオ医薬品のジェネリックをめぐる論争の中心にあるのは、バイオ製品のジェネリックがブランドのバイオ製品と同等の有効性・安全性を持つことの証明方法に関する見解の相違です。

バイオ医薬品は、遺伝子エンジニアリングを介して生きている細胞で作られます。したがって、寸分たがわぬジェネリックコピーを作ることはほぼ不可能です。一方従来の医薬品は既成の化学物質から作られ、一般的に簡単に複製することができます。

通常、ブランド医薬品と同等であることを示すだけでジェネリック医薬品は承認されます。しかしバイオテクノロジー業界は、承認を得る前にコストのかかる長期間の臨床試験をバイオ医薬品のジェネリックメーカーは実施すべきと主張しています。

今年4月に連邦裁判所は、Sandoz社の訴えを受けて、Sandoz社のOmnitropeの承認申請に対して即座に回答するようにFDAに命令しました。そして、Sandoz社はついにOmnitropeの承認を勝ち取りました。Sandoz社は、バイオ医薬品のジェネリックが、アメリカでのSandoz社の成長の主要なドライバーになるであろうと言っています。

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