Metsera社の超長持ちなアミリンの類いがGLP-1薬に比肩する体重減少を示した
 ・ 誤解を訂正しました。8.4%の体重減少がプラセボ群の体重変化と差し引きである旨追記しました。
基底細胞が小細胞肺癌の起源となる
 ・ 表現を訂正しました(基底細胞こそタフト様を含むSCLCの起源→基底細胞がタフト様を含むSCLCの起源となる)
妊娠糖尿病を生じる恐れが大きい女性への食事習慣や運動の指南の効果示せず
 ・ 食事習慣の説明を加えました。

魚料理はレプチン濃度を下げて心臓病に罹りにくくする

Free!
2002-07-03 | コメント

「魚を食べると、血管に悪影響を与える『レプチン(leptin)』という物質の濃度が低下する」という研究成果が、イタリアの研究者等によって2002年7月1日のCirculation誌に発表されました。

魚を多く食べる人は心臓病に罹り難いということが知られていました。イタリアの研究者等は、その理由を探るためにタンザニアの部族を対象にして魚食が体に与える影響を調べてみました。

彼等が研究対象としたタンザニアの部族は、「湖に面したところに住んで魚を主食とする集団(魚集団)」と「内陸部に住んで野菜や果物を主食とする集団(野菜集団)」の2つに地理的に分かれています。イタリアの研究者等は、これらの「魚集団」と「野菜集団」を比較することで、魚を主食とした生活が体に与える影響を浮かび上がらせることができるに違いないと考えたのです。

279人の魚集団と329の野菜集団を比較した結果、魚集団の血液中の平均レプチン濃度は、男性では2.5ng/mL、女性では5.0ng/mLでした。一方野菜集団の平均レプチン濃度は、男性では11.2 ng/mL、女性では11.8ng/mLとなっていました。すなわち魚集団のレプチン濃度は野菜集団に比べて半分または1/4以下に抑えられていたのです。

レプチンは、食欲を抑えるホルモンです。正常な人では適度に分泌されていますが、肥満になると大量に分泌されるようになります。肥満患者に心臓病が多いのは、このレプチン濃度の上昇が原因の一つと考えられています。

今回紹介した研究結果から、魚は、レプチンの濃度を低下させることで心臓病のリスクを低く抑えていると考えられました。今後は、魚に含まれるどの成分がレプチン濃度を下げるのかが調べられていきます。

△Fish-Rich Diet, Leptin, and Body Mass.Published online before print July 1, 2002
http://circ.ahajournals.org/cgi/content/abstract/01.CIR.0000025241.01418.4D
△Fish-Rich Tribal Diet Linked With Low Leptin Levels
http://www.sciencedaily.com/releases/2002/07/020702070741.htm

関連ニュース

該当するデータが見つかりませんでした。

この記事に対するコメントをお寄せ下さい

[この記事に対してコメントするには会員登録が必要です]

下記のフォームより、有料会員または無料メール会員のいずれかに登録してください。

[会員登録がお済みの方はログインしてください]

コメント一覧

この記事についてのコメントは、まだ投稿されていません。

会員様ログイン
メール会員(無料)募集中

メール会員登録(無料)をされますと、BioTodayに登録された記事を毎日メールでお知らせします。また、メール会員登録されますと、毎週月曜からの一週間あたり2つの記事の全文閲覧が可能になります。

メール配信を希望される方は、以下の欄にメールアドレスを入力下さい。

◇メール会員登録までの流れ

  1. メールアドレスを入力
  2. 入力したメールアドレスに自動生成されたパスワードが届けられる

後は、自動生成されたパスワードと登録したメールアドレスでログインすると毎週月曜からの一週間あたり2つの記事の全文閲覧が可能になります。

質問検索
BioToday 非会員の方へ

質問を投稿して頂くには、メール会員登録が必要です。

会員登録がお済みの方へ

質問を投稿して頂くには、ログインが必要です。
下記のリンクからログインしてください。

My Book

バイオを応用して開発中の新薬を紹介した本です。2001年10月に出版したものです。Amgen社のEPOGEN誕生の経緯やグリベック誕生までの道のりなど、現在販売されているバイオ医薬品の歴史について知りたい方には役に立つのではないかと思います。